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ネコの日。【前編】

実家に居た頃、2匹のネコを飼っていた。
サスケと、クロ(本名クロ松)。

サスケはわたしが中学生の時にうちにやってきて、
15年ほど、我が家でのほほんと暮らしていた。
サスケが逝ってしまった時にはわたしはもう家を離れていたが、
サスケはきっと幸せだったと思う。(そう思いたい)


今日はクロについて書いておこうと思う。

クロはその名の通り、真っ黒な黒猫さん。
サスケがうちにやってきた1~2年あと、
ある雨の日、ガリガリに痩せたクロを、妹が拾ってきた。

小さくてガリガリで、妙にビクビクしている仔猫だった。
そして、両手両足の肉球がただれていて、とても痛そうだった。

すでにサスケが居たので、両親は飼う事に反対したが、
とりあえず病院へ連れて行った。
ガリガリなのは野良だからだろう、栄養失調とのこと。
そして肉球のただれは、先生曰く
「焼けた鉄板の上に置かれるとかしないと、こうはならないね」と。

・・・ひどい。
もし本当にそうだとしたら、どうしてそんなひどい事ができるのだろうか。
ひどく怯えているのも納得せざるを得ない。

処置をしてもらい、うちへ戻る。
人を見てはビクビクして、足が痛いのでよたよたとしか歩けないクロを見て、
両親も飼ってはダメとは言えなくなった。

そうしてクロは、我が家の一員になったのだ。

簡単には人間に心を開かず、最初のうちはわたしたちとも距離をとっていた。
ごはんも、少し離れてあげないと食べない子だった。
(けれどもクロは、とにかくよく食べた。
ガツガツ食べるとはこういうことか、というくらいに。)

しかしそんな微妙な距離感も数ヶ月だった。
多少神経質さは残ったが、クロは、すっかり元気になり、
もうガリガリでもなく、ビクビクもしなくなった。

サスケにも果敢に挑んで行き、ウザがられていたのが微笑ましかった。
クロはサスケが大好きだったが、両想いではなかったようだった。
(サスケは新たな同居猫にブーたれていたようだった。ごめんね、サスケ)

夜、サスケはいつも、わたしのベッドで一緒に寝ていて、
寒いときは布団の中に入ってくるのだが、
クロが入ってこようとするとサスケが威嚇するので、
クロはしぶしぶ足元で丸まって寝ていた。

わたしはいつも、重たかった・・・。
でもそれがうれしかったのだ。


そうしてしばらくは、幸せな日々が過ぎていった。



前半終わり。
by sakamai147 | 2008-02-22 14:11 | 猫事

猫のデコ&リオとともに目指すそれなりのシアワセ。


by sakamai147

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